猫の歯肉口内炎について徹底解説
歯肉口内炎とはどんな病気?
歯肉口内炎は、猫の口の中に炎症が起きる病気です。歯茎だけでなく、舌や口蓋(口の天井)など、口の中全体に炎症が広がることもあります。痛みや不快感を伴うため、食欲不振や健康状態の低下にもつながります。
今回のコラムでは猫の歯肉口内炎について詳しく解説します。
なぜ起こるのか
はっきりとした原因はまだわかっていませんが、口の中の細菌が原因の一つと考えられています。これらの細菌に対して、猫の体が過剰に反応してしまうことが、炎症を起こす原因の一つと考えられています。
症状について
では、口内炎になるとどのような症状が現れるのでしょうか。代表的な症状は下記のようなことがあります。
- 口の中が痛くてご飯を食べない
- 口からよだれが出る
- 口から出血する
- 口臭がする
- 元気がなくなる
- 体重が減る
- リンパ節が腫れる
- 毛づくろいをしなくなる
治療方法
歯肉口内炎の治療は、歯周ポケットや歯の根っこに細菌が隠れやすく、完全に取り除くことが難しいため歯を抜くことが最も効果的です。
- 部分的な抜歯: 一部の歯を抜く方法です。
- 全臼歯抜歯: 奥歯を全て抜く方法です。(60%の治癒率)
- 全顎抜歯: 全ての歯を抜く方法です。(80~95%の治癒率)
どの方法を選ぶかは、炎症の広がり方や、猫の年齢や全身の状態によって異なります。
歯を抜くのはかわいそう…
歯を抜くのは、猫にとっても飼い主さんにとっても辛いことだと思います。しかし、歯を抜くことで、口の中の炎症が治まり、ご飯を食べられるようになり、痛みから解放されることで、猫の生活の質が大きく向上します。
歯を抜かずに治療する方法はあるの?
歯を抜かずに治療する方法もありますが、残念ながら完全に治すことは難しいです。薬を使って炎症を抑えることはできますが、再発する可能性が高いです。
内科療法は、あくまで外科療法の補助とされております。歯肉口内炎の内科療法には、ステロイド剤、抗菌薬、シクロスポリン、インターフェロン製剤、鎮痛薬などが用いられます。
治療後の生活は?
歯を抜いた後は、定期的に動物病院で検診を受け、口の中を清潔に保つことが大切です。
まとめ
歯肉口内炎は、猫の口の中に炎症が起こる病気で、歯を抜くことが最も効果的な治療法です。歯を抜くことに抵抗がある方もいらっしゃると思いますが、猫の生活の質を考えると、歯を抜くことが最善の選択である場合が多いです。
治療については、獣医師とよく相談し、猫に合った治療法を選びましょう。
岡部動物病院では猫のストレスに配慮した院内になっております。猫のの患者数の割合が多いということと、獣医師・看護師ともにネコを飼っているスタッフが多いためネコの気持ちや触り方などには慣れています。 ネコ専用の入院室や、院内でワンちゃんと待合室で一緒になるのが不安な方などは駐車場にて待機して頂くなどの工夫を行っております。お気軽にご相談ください。