ペットと家族を守る!ノミ・ダニ対策の重要性

犬や猫を飼っていると、ノミやダニの寄生は避けられない問題です。これらの寄生虫はペットの健康を害するだけでなく、人間にも深刻な影響を及ぼすことがあります。大切な家族を守るためにも、ノミ・ダニの予防を習慣にすることが大切です。今回のコラムでは、飼い主の皆さんが知っておくべきノミ・ダニの予防のポイントを詳しく解説します。
ノミ・ダニが引き起こす健康リスク
1. ペットへの影響
かゆみやアレルギー性皮膚炎の原因になる
大量寄生により子犬・子猫が貧血を起こすことも
瓜実条虫(サナダムシ)の媒介
貧血や皮膚炎を引き起こす
犬ではバベシア症(赤血球を破壊し、重症化すると命に関わる)
猫では猫ヘモプラズマ症(貧血や食欲不振を引き起こす細菌感染症)
2. 人間への影響
ノミやダニはペットだけでなく、人間にも感染症を媒介します。特に、マダニは複数の危険な病気を運ぶことが確認されています。
- SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
ウイルス感染症で、発熱や倦怠感を伴い、重症化すると命に関わることもあります。 (西日本中心の発生だが、関東でも発生報告あり) - ライム病
ダニが媒介する細菌感染症で、発熱や関節痛、神経症状を引き起こします。(国内では北海道や長野県などで発生報告あり) - 日本紅斑熱
ダニによるリケッチア感染症で、高熱や発疹を伴い、重症化するケースもあります。(西日本を中心に報告あり)
ペットの健康だけでなく、人間にも深刻な影響を与えるため、しっかりと予防することが重要です。
ノミ・ダニ対策は一年中必要!
「夏だけ予防すればいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、それは大きな誤解です。ノミやダニは冬でも活動し、気温が下がっても安心できません。
ノミは室内で繁殖する
ノミは気温13℃以上で活発に動きますが、暖房の効いた室内では冬でも繁殖可能です。一度発生すると、卵や幼虫がカーペットやソファに潜み、徹底的な駆除が必要になります。
マダニは冬でも活動する
マダニは低温にも強く、関東地方の冬でも生存し続けます。特に落ち葉が積もった公園や草むらにはマダニが潜んでおり、気温の変化に関係なくペットに寄生するリスクがあります。
予防を中断すると、すぐに再寄生する
「夏だけ予防薬を使う」「たまにシャンプーをする」といった方法では、ノミやダニを完全に防ぐことはできません。
予防薬は一定期間効果を持続させますが、使用をやめると再び寄生されるリスクが高まります。継続的な予防で、ノミ・ダニの発生を防ぐことができます。
ノミ・ダニ予防は簡単にできる!月に一度のケアでしっかりガード!
「毎日のブラッシングや寝床の掃除、散歩後のチェックが面倒…」と感じる方も多いかもしれません。しかし、月に一度のノミ・ダニ予防薬を使えば、手軽にしっかり守ることができます!
スポットタイプ(滴下タイプ):皮膚に塗るタイプで、1か月に1回の使用。
経口薬(チュアブル・錠剤):おやつのように与えるタイプで、1か月または3か月ごとの服用。
これらの予防薬を適切に使用すれば、ノミ・ダニのリスクをほぼ完全に防ぐことが可能です。実際に、製薬会社の臨床試験では90%以上の駆除効果が報告されています。
とはいえ、散歩後に軽く毛並みをチェックしたり、寝床を定期的に洗うことで、さらに安心して過ごせるので、無理のない範囲でケアを続けることがおすすめです!
まとめ
✔ ノミ・ダニはペットだけでなく人間にも影響を与えるため、しっかり予防が必要
✔ SFTSは西日本中心だが、関東でも発生例があるため注意が必要
✔ ノミは室内でも繁殖し、マダニは関東地方の冬でも活動するため、年間を通じた予防が必要
✔ 月に一度の予防薬で、ノミ・ダニをほぼ完全にブロック!
予防プランに関する疑問や不安があれば、当院にお気軽にご相談ください。愛犬・愛猫にとって最適な健康管理を一緒に進めていきましょう。 岡部獣医科病院では、猫に配慮した診察や待合を心掛けております。